ブータンラボ

国民のほとんどが英語を話す?!ブータンの英語教育事情

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国際化社会の現代、英語教育について非英語圏でも熱い論争が交わされていますね。
日本では2008年に小学生高学年を対象に外国語活動としての英語教育が開始され、2020年には低学年も対象となる方向です。

ブータンに行ったことがある方は、ガイドやドライバーに限らず、地元の方とも英語でコミュニケーションを取ったことがある方が多いのではないでしょうか。
筆者も小さな子に英語で話しかけても戸惑うことなく自然に英語で会話ができ、とても驚いた経験があります。

同じアジア圏のブータンでは英語教育はどのようになっているのでしょうか。

  • ブータン人は英語が上手!
  • どのように英語を学んでいるの?
  • 英語の普及度
  • 問題点
  • さいごに

  • ブータン人は英語が上手!
    ブータンを訪れたことのある人は、若年層を中心に流暢な英語を話す人が多く驚いたのではないでしょうか。
    学校・役所・職場、様々な場面で英語が飛び交い、旅行者もブータンの母語であるゾンカ語が話せなくても、英語が分かれば困ることはまずありません。
    そのくらい英語が普及しているブータン、どのような教育が施されているのでしょうか。

    どのように英語を学んでいるの?
    ブータンでは国が教育にとても力を入れているため、公立学校はすべて無料です。
    母語(国語)であるゾンカ語の授業はもちろん行われていますが、それ以外の授業(英語、数学、物理、生物、歴史、地理、経済)は1980年代よりすべて英語で行われています。
    そのため、軽い日常会話以上のやりとりも英語で可能となっています。

    ブータンは何故英語教育を開始したのでしょうか。それは、当時のブータンには自国の教師数が少なく、インドなどの近隣諸国の外国人教師に依存していた教育事情が背景にあります。
    さらに、ゾンカ語が文語として普及し始めたのは1980年代。国語であるゾンカ語で授業をすることが難しかったことも英語で教育を行った理由の一つであったといえます。

    英語の普及度
    若年層を中心に英語でのやりとりが普及しているブータン、実際にどの程度かというと、主な新聞は英語で出版されており、放送局でも英語での放送のほうが多いのだとか。ブータンで発行されている新聞なのに、英語版の発行部数がゾンカ版の発行部数を上回っているという驚きの事実も(!)

    さらに、近年では“Dzonglish(ゾングリッシュ)”なるものが出現しています。ゾングリッシュとは、その名の通りDzongkha(ゾンカ)+English(イングリッシュ)が合体した言葉。
    ゾンカ語で話をする際、理解しやすいように英語を交えて話す人が増えてしまい、国語であるゾンカ語が若年層に定着しにくくなってしまっているようです。

    問題点
    ブータンは近代化を目指し、英語教育に象徴されるように様々な取組みを行っていますが、同時に独自の文化を守ろうともしています。
    その一つに公の場での民族衣装着用の義務などが挙げられます。そのような国なので、当然ゾンカ語の教育にも力を入れている…はずなのですが、実際には英語が広く普及してしまった副作用として、若者のゾンカ語離れが進んでいるようです。
    学校では、もちろん重要な科目としてゾンカ語を教えていますが、多くの生徒にとってゾンカ語は難しく負担の大きい科目となってしまっているようです。

    さいごに
    「英語が話せれば世界中どこでも困らない」という認識が世界的に広まりつつありますが、同時に自国の伝統文化を守りたいという、2つの問題で非英語圏の国は悩まされているように思います。
    それはブータンでも同様。そして、日本でも同様の問題を抱えています。
    英語が通じることで訪問者としては便利でもありますが、同時にブータンの伝統や文化も次世代へ受け継いでいってほしいですね。
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