ブータンラボ

第4代国王の思いがここに。人々が民族衣装を身に纏う理由

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ブータンに来て驚くこと。それは、民族衣装を日常的に着用しているブータン人が圧倒的に多い!ということ。
中心部や地方に関わらず、すれ違う人はほとんど民族衣装を着て生活をしています。
民族衣装を着ている人が多い理由は、会社や学校に行く際は民族衣装のゴやキラを着用することが義務付けられているためです。
今回はこの民族衣装着用の義務に焦点を当ててみました。


はじめに
日本の民族衣装は着物。でも実際に普段から着用する機会はあまりありませんよね。
普段着というよりは、ここぞ!と言う時の正装に近い感覚もあるように思います。
そんな日本の着物に対して、ブータンの民族衣装は普段着として認識しても問題ないくらい日常的に着用されています。それはなぜでしょうか。


ブータンの民族衣装について
ブータンの民族衣装については別に書いた記事がありますので詳細はそちらをぜひご覧下さい。ここでは軽く紹介いたします。男性用は「ゴ」、女性用は「キラ」と呼ばれ、どちらも大きな1枚布を身体に巻きつけるように着用します。

男性用民族衣装 ゴ
ゴを着る時は黒のハイソックスを着用します。また、ゾン入場など正装の時は足元は革靴が原則です。
→着用方法についてはこちら

女性用民族衣装 キラ
ハーフキラとフルキラの2種類あります。ハーフキラはその名の通り、下半身を布で巻きスカートのように着ます。フルキラは一人で着用出来るようになるまで少し大変ですが。ハーフキラは外国人旅行客でも練習次第で一人で着られるようになります。
→キラについてはこちら

ブータン人が民族衣装を身に纏う理由
【ブータンでは公式の場所(”自宅以外の場所すべて”という認識も一部ではされています)では、民族衣装を着用すること】、と国が定めているとても稀有な地域です。
「身に纏う理由」というのはこの規定に尽きるのですが、着用義務を定めるにあたり、背景には第4代国王の熱い思いがあります。

ちなみに夜は民族衣装着用義務は適用されないので、若者の現代風のカジュアルな服装を目にすることもできます。

第4代国王の思い
ブータンの現国王は第5代ですので、着用を義務付けたのは前国王となります。
第4代ジグミ・シンゲ・ワンチュク国王は、開明的かつ聡明で、敏腕な手腕を発揮した人物です。
退位した今でもブータン人の尊敬を集めていることもまた有名で、国民総生産にかわる「国民総幸福量」 (GNH) という概念を提唱したのも第4代国王でした。

さて、民族衣装の話に戻りましょう。
ブータンは長く鎖国を続けていましたが、鎖国を解くことで国際的に存在感を強めました。
一方で、自国の文化が廃れてしまうことを誰よりも危惧したのが第4代国王でした。
その為「ブータン北部の伝統と文化に基づく国家統合政策」を施行し、民族衣装着用は文化保護政策の一環として義務付けられました。

つまり、国家のアイデンティティ保護の一環です。国際化が進む中、自国の伝統・文化を守るためという熱い思いが、現代でも古来からの民族衣装を日常的に身に纏うという国民の行動に繋がっているのです。国王の思いが国民に伝わっているようで、世界的に観てもやはりかなり稀有なことですし、素敵なことですよね。


さいごに
ゴやキラはお土産屋さんなどで購入することが可能です。
現代化されたブータンの街中をゴやキラを身に纏って散策してみるのもおすすめですよ。
現地で民族衣装を着てブータン人になりきり体験をしたい方はこちらも併せてご確認下さい。
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